312: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:30:28.22 ID:Bg3Eqo0s0
このみは、プロデューサーと共に、上手側の舞台袖に居た。
この場所からは、袖幕の向こう側に、ステージがよく見えた。
隣に居た彼が、このみの手を握って、そっとあるものを手渡した。
それは、一つのブローチだった。
このみの手の中で、銀色の花弁が重なり合うように咲いていた。
花の傍には、まるで枝に果実をつけたみたいに、小さな玉が一つ添えられている。
その玉は、袖幕の隙間から射し込むステージライトの光を浴びて、白く光っていた。
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