273: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:46:43.90 ID:Bg3Eqo0s0
ステージの上に照明が一斉に灯るのを、このみは薄暗がりの舞台袖からただ見ていた。
そこには、このみ以外の、大勢の劇場のアイドルたちが立っていた。
このみのソロ──最終ブロックの最後の曲──を終え、この公演も終わりが近づいていた。
ステージ上ではMCが行われていて、このブロックで披露された曲を、順に振り返っていた。
ソロを終えたこのみは、MC組と入れ替わるように、上手側の舞台袖に戻っていた。
このみは、今は衣装スタッフと合流していて、衣装の下に取り付けたピンマイクと無線の送信機を取り外してもらっている。
今も先程のステージの余韻が残っていて、鼓動がずっと高まったままだった。
胸に手を当てゆっくり息をしながら、このみは仲間たちが立つステージを優しく見つめていた。
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