274: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:47:11.77 ID:Bg3Eqo0s0
スタッフからマイクの取り外しが終わった旨の報告を受けて、このみの意識は舞台袖に戻ってきた。
このみはお礼を言い、彼女と別れた。
その場でふと辺りを見回すと、このみのプロデューサーがすぐそばにいた。
顔を見れば、彼は敢えて声をかけないでいてくれたんだと、このみには分かった。
「このみさん。……お疲れ様でした。」
「プロデューサー。」
薄暗がりの舞台袖でも、彼の目元が赤くなっているのがわかった。
今の自分も、彼のように赤くなってしまっているかもしれない。
そう思ってこのみは、目をぎゅっと瞑って、瞬きをした。
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