271: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:45:38.78 ID:Bg3Eqo0s0
吹いていた冷たい風は、もう止んでいた。
このみは上手側へ、ゆっくりと歩き出した。
白く染まった地面を歩くたびに、雪を踏む音が響いた。
いくつものスポットライトが舞台の上に投げかけられて、このみの進む先を照らしだした。
このみは、ただ前を向いて、足跡を残しながらその道の上を歩いていく。
このみがふと後ろを振りむくと、舞台の中央は桃色の光で溢れていた。
そして、その桃色の光から自分の足元まで、ずっと足跡が続いていた。
このみは、再び歩き出した。
翼を凍えさせるほど冷たかった風も、もう止んでいた。
このみは胸の前に手をやって、顔を上げて、一歩ずつ進んでいく。
321Res/210.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20