202: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/05/08(金) 22:21:33.39 ID:9DhA16vx0
指で涙を拭いながら、このみはゆっくり顔を上げた。
差し出されたハンカチを受け取りながら、このみは声をもらした。
「……ごめんなさいね、プロデューサー。私……。」
そこまで言って、彼の顔を見たところで、このみの声が止まった。
彼の顔もまた、涙で濡れていた。
このみが見たときには、彼はもう顔中ぐしゃぐしゃになっていた。
「このみ、さん……。俺……。」
途中、ぐすぐすと鼻の音を鳴らしながら、彼は言う。
このみは、二人して泣いてる状況がなんだかおかしくて、つい頬がゆるんだ。
その頬に沿って、雫が一筋、弧を描いて流れていった。
「……もう。なんでプロデューサーが泣いてるのよ……。」
このみは、受け取ったハンカチを当て涙を拭いながら、笑ってそう言った。
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