178: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/05/08(金) 21:54:39.64 ID:9DhA16vx0
自分の居なくなった世界が、それまでと同じように、淀みなく回り続けるのが嫌だ。
それは嫉妬にも独占欲にも似た感情だった。
自身の中にこんな下卑た気持ちがあったのかと、このみは心底思わされた。
「……おかしいわよね、こんなの。子供のわがままみたいだって、自分でも思うもの……。」
分かっていても、もうどうにもならなかった。
これが何かを好きになってしまったことの代償ならば、世界は残酷だ。
どれほど身を焦がしても、それが届かなかったのなら、それは──。
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