100: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 22:34:27.82 ID:1EiPKTBf0
「え、えっと……。」
駆け寄ってくる4人に何を言うべきなのか分からず、このみは言葉が詰まってでてこなかった。
しかしそんなこのみの様子をよそにして、真美は大きな足音とともに舞台を駆け、このみの前に飛び込んできた。
101: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 22:35:28.20 ID:1EiPKTBf0
「そうそう。亜美たち、メッチャ探したもんね。」
「全然探しに来てくれないから、たまき達心配だったんだぞ。」
102: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 22:38:34.93 ID:1EiPKTBf0
「……ごめんなさい、心配かけちゃって。」
環と昴はこのみを静かに見つめていた。
亜美と真美はその様子を伺ってか、あるいは単に空気がむず痒くなりそうだったからか、
103: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 22:40:15.53 ID:1EiPKTBf0
それから少し間が空いた後、昴は少し笑みを浮かべながらこう言った。
「でもまあ、このみのこと見つけられて本当に良かったよ。こんな所に居るんだもんなあ。」
104: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 22:42:39.73 ID:1EiPKTBf0
「ねえねえ、このみん。ここが怪しい、って言ったの、昴くんなんだよ。」
「あら、そうなの?昴ちゃん、私がここにいるって、どうして分かったの?」
105: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 22:50:37.89 ID:1EiPKTBf0
このみたちは舞台袖から外へ出て、夕日が差し込む廊下を歩いていた。
ほんのりと赤く染まる景色に、このみは不思議と温かな懐かしさのようなものを感じていた。
「今度お詫びにじゃないけど、みんなで何か甘いもの食べに行きましょ。好きなもの、何でもいいわよ。」
106: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 22:56:52.84 ID:1EiPKTBf0
あっちのお店は、こっちのお店は、といった調子で、あっという間にスイーツの話で盛り上がっていった。
最終的に候補はいくらか絞れたがそこから先はなかなか決められず、結局じゃんけんで決めることになった。
「昴くん、亜美はグーだすかんね?」
107: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 22:59:21.49 ID:1EiPKTBf0
じゃんけんが終わった後も、賑やかさが落ち着くことはなかった。
むしろ今度の遊びの方針の話が始まった今が一番わいわいと盛り上がっているようにも思える。
このみはそんな4人の様子を見ながら、頬を緩ませ息を吐いた。
ふと絶えない騒がしさにどこかほっとして、胸が暖かくなるのを感じていた。
108: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 23:02:13.31 ID:1EiPKTBf0
「……このみんってさ、なんだかんだノリいいよね。」
「えっ?そ、そうかしら?」
109: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/11/17(日) 23:03:45.30 ID:1EiPKTBf0
「うんうん。亜美、このみんのそういうとこ好きだよ。だって、そっちの方が絶対楽しいもんね!」
「たまきも!このみといると、いつもたのしいぞ!」
110: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/12/13(金) 00:12:10.81 ID:BkiYgAwQ0
それから他愛のない話をしながら、5人は控え室の前にきた。
特段誰かが用事があったわけでもなかっただろうが、気が付けば自然とこの場所へやってきていた。
扉についた磨りガラス越しに電気がついているらしく、誰かの話し声や笑い声も聞こえる。
何でもない話をしながらこのみたちは扉を開けた。
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