エミリーが忘れた日
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97: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:32:05.18 ID:9pdDfgPfo
 


数日後、劇場にようやく姿を現した伊織とエミリーの二人を、控え室でまだかまだかと待ち構えていたアイドルたちはそれはもう盛大に迎えた。

ホワイトボードにはまるで誕生日と正月とクリスマスが同時にやって来たみたく、
まさしく全員からびっしりとエミリーへの喜びのメッセージが書き込まれている。
何の祝いと勘違いしたのか、所々からクラッカーのはじける音さえ聞こえてくる始末。

「パーティーかなんかだと思ってるのか?」
「まあまあいいじゃないですか。 今日は皆で喜びましょう!」

青羽さんも俺の隣でその様子を遠巻きに眺め、ニッコリと笑顔を浮かべている。
今日に限っては社長と音無さんも劇場を訪ね、文字通り765プロ全員集合といったところだ。

「なんだか、ご心配とご迷惑をおかけしてしまったようで……すみません」

控えめに謝るエミリーの周りには順番にアイドルたちが殺到して、すっかり元通りになった仲間の復帰を心から喜んでいるようだった。

ただ──彼女らには、エミリーに伏せておいてほしいこと、それだけはエミリーに絶対言わないでほしいということをあらかじめ伝えてある。



「……仕掛け人さま!」

もみくちゃの人だかりが少しずつ散り、誰が主役か分からない単なるどんちゃん騒ぎにこの場が変貌するいつもの流れになりかけたとき、
エミリーがこちらにやってきた。



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