エミリーが忘れた日
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57: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:44:14.69 ID:9pdDfgPfo
 
「……ここまでくると、もはや推測でしかありませんが」

先生が俺のほうを見て言った。

「意味記憶に付随するエピソード記憶、というお話をしましたよね」
「えぇ、はい」
「スチュアートさんの思い出せない過去の記憶、それが元々の彼女にとって非常に大切で、
 彼女が常日頃その記憶を想起しながらこれまで日本語の勉強を続けてきたとしたら」
「……あ……」

その瞬間、以前のここでの会話がフラッシュバックした。意識がふわりと浮いてどこかへ落ちてしまいそうな感覚が襲う。

「……意味記憶と強烈に結びついたエピソード記憶をそれごと忘れてしまえば……手繰り寄せる紐がなくなるから、思い出すのはより困難になる……」
「……何のことよ、ちょっと……しっかりしなさい!」

伊織が俺の肩を揺さぶるのを感じた。


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