エミリーが忘れた日
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20: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 20:42:08.47 ID:9pdDfgPfo
 
「明日、もう一度先生のところへ言ってエミリーの状況について相談しに行こうと思ってたんだ。 伊織の見解も含めて質問してみるよ」
「そう。お願いするわ……私も一緒に行っちゃダメかしら?」
「お前は朝から外の仕事があるだろ」
「……そうだったわね」

最近の伊織には珍しく、露骨に不満そうな表情。

「どんな話をしたかはちゃんと教えてやるから」
「ええ」

送って行こうかという提案は、「有難いけど、新堂が車で待ってるから」と退けられた。

「じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」

丁寧に扉が閉められる。
薄暗い事務所が再び静寂に包まれてしばらくした後、ようやく自分が右手に持っている伊織からの差し入れを思い出した。
果汁100パーセントのオレンジジュース。しょっちゅう飲んでいるのを見かけるほど伊織がお気に入りにしているブランドの商品だ。

経緯が経緯なのもあるかも知れないが、それでも伊織がああやってあからさまにエミリーを人一倍気にかけるのをほんの少し意外に感じながら、
俺はそのジュースをいっぺんに飲み干した。


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