エミリーが忘れた日
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15: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 20:32:44.78 ID:9pdDfgPfo
 


その後別ユニットも集合させ、今度は“Eternal Harmony”のリハーサルに同行させる。

「プロデューサー、エミリーはその……本当にステージに復帰できるんでしょうか」

先ほどの様子を律子から伺ったらしく、開始前に如月千早が心配そうに尋ねてきた。

「そういう判断材料を探すことも含めて今日は見学なんだ。 今のところ……打開策というか、どうすればいいかまだ分からないんだけど」
「……そうですか」

くっ、と歯がゆそうに目を逸らす千早。エミリーのいるほうに目をやると、ジュリアや風花が伊織の通訳を借りてお喋りをしていた。
ああいう瞬間だけは、エミリーもふと楽しそうな表情を浮かべるものなのだが。

「ごめんな」
「いえ、プロデューサーのせいでは……私にも、何かできることがあればと思ったんですが……こちらこそ、無力ですみません」
「頼むから気にしないでくれ。 劇場は公演を続けるんだから、少なくとも他のアイドルにはいつも通りにやっていってもらいたいんだ」

自分でもドライな対応なのだろうな、と心が痛む。
けれどもエミリーのことばかり気にかけて全体の士気を落としてしまうのは一番あってはならない。
あくまでプロデューサーとして、やるべきことをやる。

「……じゃあ、みんな集合!」

パンパン、と手を叩いてメンバーをこちらに来させる。リハーサルは先ほどと同じく、エミリーを抜いた陣形での通し演奏。

──結果は似たようなものだった。この曲も、エミリーは歌詞が出てこないと言うのみでただ俯いていた。
他の四人の雰囲気にも暗雲が立ち込める。


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