143: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/06/06(木) 07:59:06.50 ID:WrefR8ekO
女(そう、そして私は何もないもの)
女(こうして待っていることしかできない……空っぽな存在)
女(あの子みたいに、自分の欲しい未来を掴み取るなんて……そんなことはできない)
少年「………」
少年「……なぁおい」
少年「さっきから何わけわかんないこと言ってるんだよ」
少年「女ちゃん、どうしちゃったんだよ!」
少年「急に消えたと思ったら、こんな部室にこもりきりだったのか?」
少年「俺は君のファンとしてここに来たんだぜ?なのにさ……女ちゃんがそんなだと……俺悲しいよ……」
少年「俺だけじゃない。君を待ってる人は大勢いるんだ」
少年「……R国でよく女ちゃんの歌を聴いていたよ。少女と二人、楽しみにしてた」
少年「そんな風にさ、君が歌ううたは、誰かを救う力があるんだっ」
少年「だから!……だから……」
女「………」
少年「……俺にはこの世界のことはよく分からない」
少年「でもとにかく、俺は今ここにいる!落ち込んでる君を元気付けるためにね!」
少年「俺はバカでしょうもないけど、一緒に居ることくらいはできるぜ」
女「………」
少年「…さてと、何か変な空気になっちゃったけど、俺こんなの持ってきたんだ」
ガサゴソ ガサゴソ
カタン ゴトゴト コトン
少年「これ、女ちゃん好きだったよね?よく食べてたし」
少年「一緒に食おうぜ。それでさ、酒でも飲んで嫌なことは忘れちまおう」
少年「……君が泣いてるところなんて見たくないからさ」
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