7: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/06/03(月) 02:02:11.75 ID:LzMqkbY70
机に突っ伏するしかない。肺腑から全ての空気が出ていきそうなくらいに深いため息。たっぷり五秒はかかったろう。
「……わかってるよ」
わかったよ、ではなく。
あぁ、そうだ。そうなのだ。俺はわかっているのだ。
イクが慧眼なのか、はたまた、節穴でさえ見通せるくらいに自明なのか。後者だとは思ったが、思いたくはなく。
「告っちゃえばいーのに」
イクの言葉はあくまで軽い。それは俺を馬鹿にしているというよりは、俺が若い女の考えていることを読み取れずに戸惑うように、イクはイクで三十も半ばに差し掛かったおっさんの考えなど理解できないのだろう。
それでいいのだ。それこそが健全だ。きっとハチも、
「きっとハチも、不安なんだと思うのね」
だから短絡的に体で繋ぎとめようとする。
16Res/10.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20