5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/06/01(土) 03:58:56.86 ID:PRZBj2Ss0
凛「不器用で、一途な人だからね。大好きな私への想いを殺したまま傍でプロデュースしてたら、あまりにぎこちなくて妙な噂がたっちゃうでしょ。自覚する機会なら何度もあっただろうけど、その度に必死になって自分の気持ちをごまかして――かわいそうなプロデューサー」
加蓮「え、あ……うん」
武内P(……ホハッ、ヤハウェ)
凛「プロデューサーが必死になって私への想いを押し殺している以上、気づかないフリをするのがプロデューサーのためだと思ってた。でもね、最近気づいちゃったの」
加蓮「え、さらに妄そゴホゴホッ、気づいたの?」
凛「このまま私が気づかないフリを続けて、大人になって、誰かと恋に落ちて――アイドルを止めて、結婚した時。プロデューサーは十年以上にわたって押し殺していた気持ちに、ようやく気づいてしまう」
凛「十年越しの想いに気づくと同時に失恋だなんて、どれだけプロデューサーは傷ついてしまうんだろう。不器用なプロデューサーはそこから立ち直るのに、どれだけ時間をかけてしまうんだろう」
凛「立ち直った時にはもう白髪混じりで、浮いた話も無くて……仕事に一生懸命で、真面目すぎて……私のことを、想いすぎたせいで」グス
武内P(……私の将来は、泣かれるほど悲惨なようです)
加蓮「え、えーと。いくらなんでも考えすぎじゃない? だいたい凛を好き? っていう自覚が無いんなら、凛より先にCPのプロデューサーが結婚するんじゃない?」
凛「うん、問題だね」
加蓮「え?」
凛「心の奥底では私のことを好きなままの結婚生活なんて、うまくいくはずないでしょ? そうじゃなくても女心がわからない口下手で不器用なプロデューサーとうまくいく相手なんて、かろうじて卯月と未央ぐらいなものだし」
加蓮「えーっと、楓さんと美嘉ちゃんをツートップに、蘭子ちゃん小梅ちゃんきらり『ぐらいなもの』アッハイ」
凛「私ね、お世話になって信頼もしているプロデューサーが不幸になる姿なんて、見たくない。見たくない、のに」
加蓮「え、何々? 蒼いオーラが出てるんだけど」
凛「……来週の土曜」
武内P(来週の土曜……? 来週の土曜!?)
凛「プロデューサーったら、婚活に行くんだ。私に内緒で、まゆPと二人で」
武内P(なぜ……そのことを?)
加蓮「へえ? なぜ内緒なのに凛が知っているかを置いておくとして、婚活に行くんだ。周りの女の娘放っておいて。ふーん」
凛「感心……できないよね? 自分から不幸に行くなんて。それを止めるのは、お世話になっている担当アイドルとして……ううん、本当は一番愛されている私が止めなければいけないよね?」
加蓮「後半の寝言は置いておくとして。CPのプロデューサーは、年下の女の娘の面倒を見るのが大好きで、年下の女の娘に振り回されるのが大好きなんだから。頼りがいのある年上の男性に甘えるのが大好きで、真面目で不器用な人を振り回すのが大好きな北条加蓮ちゃんをスルーしてそんな集まりに行くのは……感心できないね」
凛「良かった、加蓮にわかってもらえて。でもプロデューサーは互いに高め合うような、蒼い意志を持つ女の娘が一番好みってこともわかってほしいな。婚活に行こうなんて考え、蒼穹の歌詞のように砕けてバラバラにするの、手伝ってくれる?」
加蓮「うん、凛の愛が想像していた以上に重くて面倒くさいことはわかったけど、全力で手伝うよ」
凛「フフフ。わかってくれて嬉しいよ加蓮」
加蓮「アハハ。凛の方はわかってるのかなあ?」
凛「フフフフフフフフフフフ」
加蓮「アハハハハハハハハハハ」
凛・加蓮『フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ』
武内P(……ここは魔界です。早く逃げなければ)
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