シンジ「すべてを受け入れようと思う」
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27:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:12:54.54 ID:VZdRWGZA0
「なんですかこれ……?」
 モニターのCGは、シンジの首に巻かれた物に変わっていた。リツコは、それについて科学者然とした語彙で説明する。
「私たちへの保険。覚醒回避のための物理的安全装置。私たちの不信と、あなたへの罰の象徴です」
「どういうことですか……?」
 シンジはその真意を読み取ることができない。
以下略 AAS



28:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:13:22.39 ID:VZdRWGZA0


「それって……死ぬってことですか?」


以下略 AAS



29:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:13:51.28 ID:VZdRWGZA0
モニターの映像が切られる。
「否定はしません」
 モニターの前に座っていたシンジは、驚いた表情でリツコの背中を見る。リツコはシンジに背中を向けた状態でコンソールを見たまま振り向こうとはしない。


30:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:15:07.40 ID:VZdRWGZA0
「そんな……ミサトさん、どういう事なんですか死ぬって!?」
 シンジは、入り口近くの壁に寄りかかっていたミサトの方を見て訴えかける。少しずつだが、自分の取り巻く状況が分かってきたことで、感情が高ぶった声になって行く。
「変ですよミサトさん!急にこんなことになってて訳わかんないですよ!」
 しかし、ミサトは腕を組んだまま俯き、口を開こうとはしなかった。その訴えを受け止める変わりに、リツコはシンジの傍らに立っているベレー帽の女の子を引き合いに出した。
「混乱するのも無理ないわ。少尉」
以下略 AAS



31:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:16:31.87 ID:VZdRWGZA0
「あ、はい……でも、鈴原って……トウジの?」
 シンジはその名字を聞いて思い当たった。しかし、目の前にいる女性の年齢が自分の記憶と噛み合わない。
「はい。お兄ちゃんがお世話になりました。妹のサクラです」
「妹!?お姉さんじゃなくて?」
「はい。妹です。ふふ……」
以下略 AAS



32:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:17:56.11 ID:VZdRWGZA0



 その時、ミサトの立っていた入り口の方から聞き覚えのある声が聞こえる。
 その声。
以下略 AAS



33:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:18:39.32 ID:VZdRWGZA0




「――あれから14年経ってるってことよ。バカシンジ」
以下略 AAS



34:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:19:18.85 ID:VZdRWGZA0
 アスカは上着のポケットに突っ込んでいた手を外に出すと、ずかずかとシンジの方に歩み寄って行った。シンジは嬉しさのあまり椅子から立ち上がってアスカの名を呼んだ。アスカは無言のまま、大きく右腕を振りかぶってシンジに殴り掛かった。
「あうっ」
 ドン、という大きな音が室内に響いた。アスカの拳がシンジの顔の目の前で止まる。シンジとサクラのいる部屋は一面のガラスで仕切られていた。さっきまでCGが映し出されていたのは、モニターではなく強化ガラスの壁だった。その分厚い壁に亀裂が走り、固く尖ったものが砕ける音がすると、辺りはしんと静まり返った。


35:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:20:42.72 ID:VZdRWGZA0
「駄目ね……抑えきれない。ずっと我慢してたし……」
 アスカは、拳を振りかぶったまま俯いて独り言を口にする。
「いっつ……なんなんだよ……」
 シンジは予想外の展開に驚き、椅子の上にへたり込んでしまった。そんなシンジを見下すように、アスカはガラスの前の踊り場に登って仁王立ちになる。
「怒りと悲しみの累積……」
以下略 AAS



36:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:23:12.16 ID:VZdRWGZA0
「何のことを言って……、アスカ――」
 シンジは、アスカの左目を覆っている眼帯に気付いてはっとする。
「あんたには関係ない」
 アスカは、冷たい目でシンジを見下しながらそう言い放った。
「アスカ、さっき14年って……でも、眼帯以外変わってない」
以下略 AAS



37:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:25:46.47 ID:VZdRWGZA0
「知らないって……助けたんだよあの時!!」
「人ひとりに大げさね。もうそんなことに反応してる暇なんてないのよ、この世界には。そうでしょ?葛城大佐」
 アスカは冷淡な態度でそう言うと、ドアの向こうへ姿を消してしまった。
「アスカっ!!」
 シンジは自分の知っている記憶に必死に縋ろうとする。
以下略 AAS



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