夢見りあむ「7人が行く・EX1・エクストライニング」
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172: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2019/05/26(日) 23:05:25.36 ID:ve+l2aZk0
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出渕教会・地下2階

千夜「こんばんは。お邪魔します」

裕美「こんばんは」

楓「こんばんは」

千夜「お嬢さま、会いに来ました」

ちとせ「千夜ちゃん」

裕美「出て行こうか?」

ちとせ「うん、2人にさせて」

裕美「わかった。楓さん、行こう」

楓「はい。ごゆっくり」

ちとせ「ありがとう」

千夜「……」

ちとせ「千夜ちゃん、元気だった?」

千夜「会わなかったのは昨日だけです。変わりはしません」

ちとせ「私は変わった」

千夜「……もうお熱はありませんか」

ちとせ「ないよ。だから、私はもう吸血鬼。末裔ではなくて本物の」

千夜「お嬢さまが言っていた吸血鬼の末裔というのは全て嘘だったのですね」

ちとせ「吸血鬼は繁殖しないから。でも、全てが嘘じゃない」

千夜「そうなのですか」

ちとせ「吸血鬼との関わりがあったんじゃないかな、ご先祖様は」

千夜「なるほど。何時しか混同、いえ、あえて混同したのかもしれませんね」

ちとせ「そうだったら、末裔が吸血鬼になったら喜ぶかも♪」

千夜「……ええ。お嬢さま、お手を」

ちとせ「手?」

千夜「温かいですね。冷たいものだとばかり」

ちとせ「そうね。身も心も血が通ったまま。凍ったりしてないよ」

千夜「お顔に触れてもよろしいですか」

ちとせ「うん」

千夜「熱は下がりましたね。肌の調子も良さそうです……」

ちとせ「千夜ちゃん……?」

千夜「お嬢さまは生まれ変わったのですね」

ちとせ「そう。人間の人生は終わって、なかったはずの延長戦。少しだけ終わるのが早かったけれど」

千夜「こんなに体調の良さそうなお嬢さまを初めて見ました。私にも誰にも与えられなかったのに」

ちとせ「そうね。予想しなかった、贈り物」

千夜「お嬢さま、家に戻りますか」

ちとせ「どっち?」

千夜「それは、どのような意味でしょうか」

ちとせ「私の希望を聞いている?それとも、千夜ちゃんが帰って来てほしいの?」

千夜「……」



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