99:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:53:52.43 ID:YWfCY9A20
りみとたえが今生の別れの寸劇をして、有咲がもはや無反応でそれをスルーして、それを傍目に相変わらずうんうん唸りながら自分の席へ腰かけた朝のひと時。
ホームルームで気の抜けた先生の挨拶を聞いて、一時間目の英語の授業を受けたひと時。
次の体育の時間で、バドミントンのラケットを手にぶら下げたまま、りみからのサーブをおでこで受け止めたひと時。
その全部のひと時で、香澄は沙綾に届けるべき言葉を考え続けていた。
だけどそうしていると、悩みすぎちゃダメだ、でも考えなきゃ何も浮かばないし、けど考えすぎると悩んじゃうし……なんていう風に、だんだんと思考が本筋から離れていってしまう。
本当にどうしたらいいんだろ……と、三時間目の授業も上の空でいたら、現国の先生に注意された。「もう恋のスタンプカードは終わったぞ」と言われ、教室中から笑いが起きる。頬がかぁっと熱くなった。
――サイテーで、サイテーで、サイテーすぎる! と、いつかに浮かんだ思考が頭にもたげて、でも今は机の上には何も書かれていなくて、香澄は深いため息を吐き出した。
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