84:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:40:39.15 ID:YWfCY9A20
「無理しちゃダメだよ〜。あたしみたいに授業中も眠るくらいじゃないとー」
「……そう、だね」
おふざけ半分の言葉。それにもなんて返せばいいか分からなかったから、中途半端な相づちを返してしまう。
「…………」そんな沙綾の顔をマジマジ見つめてから、「今日のおすすめはなにかなぁ」と女の子は何でもないように言う。
「今日はブラックバ――」
それに少し助かったな、という気持ちで、口から出かかったのはヤマブキパン特有の名称。父が作り、名付けたブラックバード・メロンパン。優しい旋律に酵母が震える、とかなんとか。
「ぶらっくば?」
「う、ううん、なんでもないよ。えぇと、メロンパンだね」
「そっかぁ。じゃあメロンパン買ってこ〜」
女の子は踊るようなふわりふわりとした足取りでメロンパンへ向かい、手にしたトレーにひょいと乗せる。それから店内をぐるっと時計回りに一周して、思い思いに他のパンもトレーへ乗せて沙綾の立つレジに戻ってきた。
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