62:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:20:38.34 ID:YWfCY9A20
「それで、シュシュ殿」
「あ、今日のパンはこれだよ。クリームデニッシュ」
「うちが言いたいのはそうではない、と言いたいところだけどそれはそれでシュシュ殿に失礼だろうからパンを貰うのはやぶさかではない。べ、別に期待してたわけじゃナインダカラネ!」
はむ、と差し出されたデニッシュにかぶりついたリミを沙綾はどこか慈愛のこもった温かな目で見つめる。ここ最近、不器用に懐いてくる動物を餌付けしてる気分だった。
「それで?」とアリサに話の続きを促されて、「あ、うん」と沙綾は腹ペコのノラネコみたいなリミから視線を外す。
「机の上にね、メッセージがあったんだ。『ねえ、聞こえる?』って。みんなの中の誰かが書いたのかなって思って、『うん、聞こえるよ』って返したら、次の日に『もうひとりの山吹沙綾だよね』って返事が来て……」
そうして交わしたメッセージの内容をアリサたちに伝える。どうしてかカスミは最初の『ねえ、聞こえる?』という言葉だけで泣きそうになっていて、話を聞くうちにどんどん涙が溜まっていくのが印象的だった。
「沙綾ちゃん……無事なんだね。よかったぁ」
そしてここ一週間のやり取りを聞き終えたカスミは安堵の呟きとともに涙を一滴こぼす。
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