60:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:19:13.97 ID:YWfCY9A20
◆
あちらの世界の沙綾とやり取りが出来ることが分かってから過ごす、初めての日曜日。
ヤマブキパンは俺に任せろ。お前はほら、あれだ、セイシュンしてこい! ……なんて妙に張り切った父親の言葉に送られて、沙綾はアリサの家を目指して歩いていた。
今日の空にはいわし雲が泳いでいて、そよぐ風にも少し冷たさが感じられるようになってきた。十月ももう終わりに差し掛かっていて、気付けばこの世界の沙綾と入れ替わってからもうひと月が経とうとしている。
その間に得た、この嘘みたいな現実を解決するための手がかりはゼロに等しい。
それでもいつか絶対に戻れるはずだ、と胸中で呟いて、沙綾は歩を進める。
189Res/213.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20