24:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:51:48.01 ID:YWfCY9A20
「ベンケー殿のツンデレニズムはさておき、要するに、獅子メタル殿は獅子メタル殿として獅子メタル殿の生活を送るということだな」
「えっと……ややこしいけど、そういうことなのかな?」
「ふむ……」カスミの同意を得て、リミは少し思案顔になってから再び口を開く。「実はな、獅子メタル殿……あいや、ここは何か別の名前で呼んだ方がいいかもしらん。獅子メタル殿はあちらの世界での趣味はなんだったのだ?」
「趣味……ヘアアクセ集め、カラオケ、野球観戦、かなぁ?」
リミに――目の前の女の子をりみりんだと思うのに非常に大きな抵抗があるのだが、それは置いておいて――尋ねられ、沙綾はそう答える。
「ほうほう。野球がお好きと。結構。では当然贔屓球団は関西の球団ということに……」
「え、いや、別にどこが好きとかはない、かなぁ。弟が好きで、その付き添いでテレビ見たり球場に行くってことが多いし……強いて言うならウチから一番近い神宮の球団かな」
「なんでやねん! はーもうアカンわ。いつになったら大阪の球団のファンは増えるねん」
「……大阪の方なんだ」
「当たり前や。関西人がみんな甲子園球場に憧れ抱くと思うとったら大間違いや。本拠地かてなぁ、『いつ見てもガラガラやー』なんて心無い人が言いよるけどなぁ、縦縞の試合やなくとも年に三、四回くらいは……あとはオールスターでもやれば満員になんねん! 立地もええし!」
「…………」
先ほどの古風な喋り方と一転、隠すことのない早口の関西弁を浴びせられて、ますます沙綾の中のりみりんとリミの印象が離れていく。凄まじいばかりのギャップに眩暈さえしそうだった。
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