157:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:35:24.51 ID:YWfCY9A20
他でもない自分自身の姿から放たれた言葉が自分自身の胸に刺さるということもあるけど、よくよく考えてみれば、それらの言葉は自分たちの身近な人が口を酸っぱくして放つものとほとんど同じだ。
「……私たちに対しても、そう思ってるんだろうね」
「だね……『もっとわがままを言って』とか、『“お前”を大切にしろ』とか……」
「あー、なんだろうな、本当……」
「……恵まれてるよね、私たち」
「うん……」
こんなにも自分を気遣い、優しくしてくれる人たちが身近にいる。それだけで幸せなことだし、これ以上を望むのはやっぱりわがまま過ぎるとふたりはちょっと思ってしまう。だけど、そう思うことを、きっと自分たちの大切な人たちは望んでいないということも……今こうして、少しだけ理解できたような気がしていた。
「私たち、もう少し素直にならないといけないね」
「ね。難しいけど……でも、そうしなくっちゃね」
互いに頷いて、笑い合う。気が付けば窓を叩いていた雨は止んでいた。電車はまだ静かに走り続けている。
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