109:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:00:15.00 ID:YWfCY9A20
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『曲が出来たんだ! これを沙綾ちゃんに届けようって思う!』……そんなメッセージをカスミから貰った沙綾は、いつもよりも早く学校に向かった。
校庭や中庭にはいつもよりも生徒が多く見受けられた。だけど、斜陽の教室に足を踏み入れると、そこには誰の影もない。少し寂しい気持ちになりながら、沙綾は自分の席へ足を向ける。
「これが……」
そしてチラリと見やった机のまんなかには、カスミたちの文字で、長い長い詞が書き込まれていた。それを読み込まないように、沙綾は用意しておいた大きめのハンカチを机に広げる。
これはカスミちゃんたちが私じゃない沙綾に宛てた、大切なもの。きっと私が見ていいものじゃない。清らかな願いが込められたこの歌は、彼女たちの間だけで共有されるべきだ。
沙綾はハンカチの上に、一時間目の科目の教科書を広げる。そして今日は一日中、そうやって授業をこなしていった。
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