106:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:58:32.54 ID:YWfCY9A20
『なにかを乗り越えたと思っても、実際、乗り越えたのだとしても、またつまづくことはある。うまくいったり、いかなかったり……。つらいことも起こるし、思いがけないことも起こる……。人生は魔法じゃないから』
その時の香澄は、引き込まれるように沙綾を見つめていた。
『だから何度でも、歌うんじゃないかな』……そうだ、沙綾ちゃんが静かな声でそう言ってた。『大切なものとは何度だって出会える』し、『何度だって思い出して、何度だって乗り越えればいい』んだ。
一度でダメならもう一回、ニ回でダメなら十回、十回でダメなら百回、百回でダメなら千回。
そうやって、何度でも何度でも、涙を落としても、つまずいてうずくまっても、また前を向いて走り出せばいい。何度でも歌うべき歌を歌えばいい。泣き虫のわたしは、そう教えてもらったんだ。かけがえのない友達に。
もしかしたら、この気持ちを言葉に――歌にしても、わたしの独り善がりなのかもしれない。でも、それでいいのかもしれないとも思う。
わたしのはじまりの歌に、沙綾ちゃんも涙を流してくれたんだから。みんなが感動してくれたんだから。
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