105:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:57:53.16 ID:YWfCY9A20
それから改めて考える。一番に頭に浮かんだのは、前に有咲に突き放されて沙綾の部屋で歌詞を考えた時のこと。
あの時は自分のはじまりの歌だった。じゃあ今度の歌は、どんな歌なんだろうか。
夢を打ち抜いたことが全てのはじまり。ホシノコドウがわたしのスタートの歌。文化祭で五人で演奏したのが、走り始めたばかりのわたしたちの決意の歌。それじゃあ今度の歌は……きっと、わたしたちのこれまでと、これからの歌。
そう思うと、香澄の胸の内側から沸々と言葉が湧いてくる。
これまでのこと。わたしのこと。みんなと出会ったこと。
これからのこと。沙綾ちゃんに……ううん、沙綾ちゃんだけじゃなくて、みんなに伝えたいこと。
胸の内から思い出を取り出して、頭の中から出てきた言葉にくっつける。淀みなく、あるべき場所へとあるべきものが戻るみたいに、パズルのピースがはまっていく感覚。
沙綾の部屋に押しかけて、散々泣き喚いた時の感覚に近いものだ。それを思い出すと恥ずかしくて顔が赤くなる。でも沙綾ちゃんの膝、柔らくて気持ちよかったし、トントントンって背中を叩かれたのは心地よかったな……。それから色んなことをお話して……。
『人はそんなに変われないと思うの』……と、自分の話を聞いてくれた後に沙綾が継いだ言葉が頭に浮かぶ。
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