103:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:56:35.99 ID:YWfCY9A20
「やっぱりボケナスよ。今のかすみんも、違う世界に行った沙綾も」
しゅんと落ち込んだ香澄に、内容とは裏腹な柔らかい声を出して、有咲は指を眉間から離す。それから香澄に顔を寄せて、大きな瞳をしっかり覗き込んで、言葉を続ける。
「ひとりで悩んでたら、沙綾と一緒よ」
「…………」
「そんな沙綾を元気づけるためなのに、あんたがひとりで抱え込んで落ち込んでたら変でしょ?」
「……うん」
有咲の言うことはごもっともだった。香澄はさらに肩を落としてしまう。
「あーもう、違うから。責めてるわけじゃないからね?」有咲は香澄の肩にそっと手を置く。「あたしが言いたいのは……その、違う世界に行っちゃった沙綾と状況が違うでしょ?」
「状況……?」
ピンと来ていない顔が間近にあった。だから有咲はわざとらしく大仰なため息を吐き出す。
「……今のかすみんにはあたしたちがいるでしょ」
「…………」
顔を赤くして、ちょっと……いや正直かなり照れくさいと思いながら、有咲は言葉を紡ぐ。香澄は目をぱちくりとさせた。そうしているうちに、余所の教室に入ることを未だにちょっと渋るたえの背を押して、りみがふたりの元へ戻ってくる。
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