千歌「ポケットモンスターAqours!」 Part2
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◆tdNJrUZxQg
[saga]
2019/05/12(日) 06:09:50.12 ID:DoNfZkVt0
ディアルガは意識的に、より一層強く攻撃を叩き付けてきている。
恐らく、わたくしが混乱し、戦闘に支障を来たす状態に陥っていることが、本能的にわかっているのだ。
ダイヤ「あ、はは……」
自分一人なら、何も怖くなかった。
程度の問題はあれど、多少の命の危険くらい、旅をしている間に何度か経験もした。
ですが……友人が目の前であんなことになる姿を見ることになるとは思わなかった。
情けない話ですが、腰が抜けて立てなかった。
ディアルガが怖くて……ではありません。
鞠莉さんがどうなったか、を考えるのが怖くて……動けなくなった。
「ディガァァァァッ!!!!!!! ディガァァァァァァッ!!!!!!!!」
度重なる強力な攻撃で“リフレクター”にヒビが入る。
──ピシッ
音が鳴る。
光景がスローモーションになる。
ゆっくりとディアルガの前脚がわたくしに向かって降って来る。
人間、死に直面すると、脳内の細胞が活性化し、情報処理が加速して、光景がスローモーションに見えると言うのは……本当だったのですわね。
などと、考えていたら。
──パシュンッ。
ディアルガはそんな間抜けな音と共に、後ろの方に引っ張られ。
──カツーン……。
ボールのようなものに吸い込まれてしまった。
……いや、というか……。
ダイヤ「マスター……ボール……?」
わたくしはポカーンとする。
「いやーダイヤが迫真の演技してくれたお陰で助かったよ〜」
そのボールを拾い上げながら、いつも通りの気の抜けるような声で喋っているのは──
ダイヤ「鞠莉……さん……?」
鞠莉「ん、わたしだヨ♪」
ダイヤ「い、生きているのですわよね……そ、そうだ腕は!? 肩から先が……!?」
鞠莉「ああ、これね」
鞠莉さんは、破れた上着の袖を見せてくる。
さっきわたくしが視認したのと同じ位置から先がなくなっていた。
ついでに言うなら、切られた袖口が真っ赤に染まっている。
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