千歌「ポケットモンスターAqours!」 Part2
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149: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2019/05/13(月) 13:13:06.21 ID:SDtZ71oz0

鞠莉「聖良が珠を生成する過程の中で、異次元空間に生きている別個体のパルキアとディアルガが珠の波長に引き寄せられた……と言うところだと思う」

ダイヤ「……なるほど」

鞠莉「だから、きっと他の個体には他の個体に波長が合うような調整を施したものじゃないと効果がないんじゃないかしら。これを踏まえて、わたしが考えた仮説はこう。……太古の時代、強大な力を持った伝説のポケモンたちを制御するために……人々は多くのポケモンの命を犠牲にして、珠を作った」

ダイヤ「……」

鞠莉「そして、その珠の力を使って、人の手に余る伝説のポケモンたちを封印し……それと同時に、こんなおぞましい“どうぐ”の製法を後世に残さないために……一切の伝承を歴史の闇に抹消したんじゃないかしら」


それが誰かに伝わり、同じ悲劇が繰り返されることのないように……。

……ですが、


ダイヤ「一つ……わたくしの考えも聞いてもらってもいいですか?」

鞠莉「いいよ? 何?」

ダイヤ「犠牲になったのは……ポケモンだけではなかったんじゃないでしょうか」

鞠莉「……? どういうこと?」

ダイヤ「……この珠を使うだけでわたくしたちは命が削られるような感覚を味わいましたよね」

鞠莉「ええ」

ダイヤ「珠を扱い、伝説のポケモンたちの意に背くように封印をするというのは……使用者もどれだけ命を削ることになるのでしょうか」

鞠莉「……なるほど」

ダイヤ「この“たま”という道具は……ただ人間のエゴでポケモンたちを犠牲にしたものではなく。……人とポケモンが、手を取り合い、命を掛け、世界の秩序を守るために編み出した、知恵だったのではないでしょうか」


もちろん、これはわたくしの妄想に過ぎないのですが……。


ダイヤ「ただ、後世に伝えるべきではない、『おぞましい製法』だったということには変わりないでしょうけれど」

鞠莉「……そうだネ」

ダイヤ「それで……どうするのですか?」

鞠莉「……珠の今後のこと?」

ダイヤ「ええ。先人達に倣って、わたくしたちもこの珠を歴史の闇に葬るべきなのでしょうか」

鞠莉「……そうね。それが正しいのかもしれない。けど……」

ダイヤ「……けど?」

鞠莉「わたしはただ、封印して、抹消して、なかったことにしても……人の執念は、またいつか同じ物を見つけてしまうんじゃないかと思う。今回の聖良のように」

ダイヤ「…………それは」

鞠莉「だから……この“どうぐ”も、ポケモンたちも、ちゃんとわたしたちと共存出来るように、研究して、考えて行くことが、わたしたちが本当に伝えていかなくちゃいけないことなんじゃないかと思うわ」

ダイヤ「そうですか……。……そうかもしれませんわね」

鞠莉「そのために、もしかしたら協力してもらうこともあるかもしれないけど……」

ダイヤ「まあ……仕方ありませんね。世の為、人の為……そして、鞠莉さんの頼みですから」

鞠莉「ダイヤ……Thank you ネ」


鞠莉さんは苦笑しながら、お礼を述べてくる。



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