1: ◆Xz5sQ/W/66[saga sage]
2019/05/10(金) 21:06:48.10 ID:rBcPHpC60
「核のボタンを押してください!」
人類救済コントロールセンターに響いた声はしかし、その場を占める重苦しい沈黙によって空耳のように扱われた。
室内には制服を着た人間が四、五人。
その誰もが絶望を堪えるように沈痛な面持ちで座っている。
「聞こえませんでしたか、局長? 今こそ核の出番だと言ってるんです」
中でも一番若いワカモトがそう皆に進言したのだった。
核。ご存知核ミサイル。恐らくは人類史に残る破壊力を有していた兵器の名前である。
ワカモトの、そして職員たちの視線が局長に集まった。
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2:名無しNIPPER[sage]
2019/05/10(金) 21:08:13.52 ID:rBcPHpC60
待ち望まれる彼の言葉。
しかし局長は落ち着き払った動作で煙草を一本取り出すと、
3:名無しNIPPER[sage]
2019/05/10(金) 21:09:26.07 ID:rBcPHpC60
「だが使わん。いや、使えん」
「なぜです! 道徳的な問題なら――」
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