「核のボタンを押してください!」
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2:名無しNIPPER[sage]
2019/05/10(金) 21:08:13.52 ID:rBcPHpC60

待ち望まれる彼の言葉。

しかし局長は落ち着き払った動作で煙草を一本取り出すと、

「ワカモト、提案ってのは思い付きだけで口に出すもんじゃない」

火をつけ、吸い、煙を吐いて。
彼は壁面に備え付けの巨大なモニターを睨みつける。

「確かに核は用意してある。もしもの時の最後の手段、それはこの場にいる全員が以前より承知していたことだしな」

「だったら悠長にしていないで! 我々には時間が無いんですよ!?」

「分かっている。だからこうして皆思案している」

「わか、わっ、わかってるって――それで結局、何時間無駄に過ごしてきたと思ってるんです!?」


ワカモトの叫びに誰もが心で肯いた。それは局長だって同じだった。

事態がこうなってしまうまでに有益だと思われていた行動は既に取り尽くされ、
事前準備されていた他の装備も使い潰された後だった。

最早今、現時点で、コントロールセンターにはワカモトの言う核しか残っていないのだ。

これ以上の時間の浪費には耐えられない。

有効な代替案が出ない以上は使用も止むを得ないことを局長だって分かっていた。


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