30: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:12:34.26 ID:ggin5fGOo
「それだけ大切ってことだろ」
真っ黒なコーヒーを持って帰ってきたプロデューサーの言葉に「大切?」って聞き返して「相手のことを」
31: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:13:38.65 ID:ggin5fGOo
「そりゃそうだよ。高校からの友達って貴重だもん」
「俺も何人いるか」
32: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:14:14.05 ID:ggin5fGOo
「え?」
「そういえば、ちょうど一ヶ月後にぽっかり予定空いてたな、一週間くらい」
33: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:15:32.61 ID:ggin5fGOo
「それができたら苦労しないってばー!」
「結局は行動しないとどうも変わらないだろ」
34: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:16:21.34 ID:ggin5fGOo
「いやでも、すっごい雑じゃない?」
「そんなもんだよ、諦めろ」
35: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:17:17.11 ID:ggin5fGOo
しばらくそんなことを繰り返していたら、机の上に置いてたスマホが突然振動し始めた。長い振動音でこれが電話だっていうことがすぐわかった。ひっくり返すとその画面にはずっと連絡がなかった、ついさっきまで話題に出してた名前が表示されていて、胸の奥の奥が誰かにぎゅって掴まれたような気がした。なんてタイミングだろう。偶然にしてはできすぎ、まるで仕組まれてたみたい、ってそれこそ被害妄想か。プロデューサーはいつの間にかいなくなってて、相変わらず志乃さんは寝たまま、もしかしたら起きてるのかもしれないけど、まぁそれはいいや。
ええい、ままよ。決心してスマホを持った。
36: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:18:12.90 ID:ggin5fGOo
気持ち間があってから耳に届いたのは、胸をなでおろしたようなゆるいため息と少し湿った声だった。
『よかった。番号、変わってなかったんだ、ね』
37: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:21:25.22 ID:ggin5fGOo
「そっちだって、変わってないじゃん」
喉奥に熱いものが詰まったみたいな感覚があった。出していいのか、それとも出しちゃダメなのかわからなくて、ごくんと息を飲んだけど、まだそこにあるみたいだった。
38: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:21:57.02 ID:ggin5fGOo
「あのさ、パスポート持ってる?」
39: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:23:19.79 ID:ggin5fGOo
おわり
40: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2019/05/08(水) 01:28:38.25 ID:ggin5fGOo
並木芽衣子で一番最初に書いたやつ
芽衣子「コール・ミー!」
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