元勇者「役目も終えて暇だから孤児院開いて安価でグダグダ過ごすぞ」
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名無しNIPPER
[saga]
2019/04/29(月) 23:57:24.31 ID:8mIdEek80
夕方。適当に料理を用意して、酒を呷る。未成年のくせに飲むな?喧しいわ。
「妾にも一杯頼む。安物であろうと、酒は酒だ」
「ほい」
「………」
「おえっ…」
少し口を付けたと思ったら、蒼ざめた表情でそれを吐き捨てた。勿体無い。
「これ…酢になってるぞ!?」
「酸っぱいくらいで何言ってんだ。飲めたらそれでいいじゃんか」
「阿呆…。こんな不味いものを涼しい顔で良く飲めるな?こんなものを飲んだら、骨がふやけてしまう」
「酔っぱらえたらそれでいいんだよ。味なんか気にしない」
「アルコールが入っていないのに酔えるわけがない…」
「あるこーる?」
「…知らんのか」
「だって俺、学校とか通ってないし」
魔王討伐の旅に出たのが八歳の頃だ。子供だ何だと馬鹿にされたが、無視して戦い続けた。
結局、十年掛けて漸く目的を果たすことが出来た。その代償も大きかったが、今更気にしたところで喪ったものは返って来ないのだ。
しょうがなかったと、今では笑い話にしている。こんな歳で初等教育を受けるわけにもいかないし。
「…仕方ない。妾が教授してやろう」
「お前、結構お人好しだよな」
「誉め言葉として受け取っておこう。…して、妾に合う修道服は無いのか?」
「チンチクリンに合う服なんてあるわけないだろ」
「…今度、買い物に出かけるとするか」
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