元勇者「役目も終えて暇だから孤児院開いて安価でグダグダ過ごすぞ」
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名無しNIPPER
[saga]
2019/04/30(火) 00:41:42.73 ID:JkkU6jQc0
そしてまた翌日。入所する人が決定する日が来た。誰も来ないなんてことは無いだろう。たぶん。
「待ってる間、トランプでもするか。ほれ、引け」
「…はずれですね」
「…あっ!?ババだとぉ!?」
一時間経過。
「まだ昼になってないし、これから来るだろ」
「スイーツは無いのか?」
「あるわけないだろ」
四時間経過。
「…来ませんね」
「まあ、胡散臭い男が開く孤児院など、あからさまにヤバいからな」
「…俺、そんな胡散臭い?」
「あのチラシを見る限りは」
八時間経過。
「…もう夕方なんですけど!?」
「御愁傷様です」
「食事の支度といこう。最悪、この三人で暮らしていくしかないな」
アルファウスが席を立つと同時に、扉がノックされる。蹴飛ばされないということは、マトモな人間がいるということだ。
脱兎の如く勇者は扉の前まで駆け、ゆっくりと開いた。
「はいいらっしゃい!入所する人たちですね?」
営業スマイルを浮かべる勇者。こういうのは慣れたものである。イメージ戦略が重要な時もあった。補給とか。
三人いた内の二人が頷く。一人は本で顔を隠した少女で、もう一人は自信たっぷりな少年だ。
「…んん???」
「どうしたぁ?俺の顔に何か付いてるか?」
「…気のせいか?」
どうしてか、目の前の少年が忌々しいクソ神とダブって見えた。そんなはずないよな、ハハハ。
「えーと。こっちがミラでこっちがテオ…で合ってる?」
「はい…」
「おう!」
「…んんん?????」
どこかの言葉でテオは神を表すはずだ。とんだ偶然もあるものだと勇者は呑気に思う…わけが無く。
「………」
冷や汗を流す勇者を見て、テオはニヤリと笑った。
(気付いたな?)
(ぶっ潰すぞクソ野郎)
「あ…あの…。私…子供たちのお世話に…あうぅ…」
誰にも声を掛けられない女の子は、すみっこでめそめそと泣いた。ちなみに、名前はアルセナと言うらしい。
勇者孤児院 Lv.1 居住可能人数 7名 資産???
↓1 自由安価
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