89:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 00:47:32.50 ID:SYS+AFC90
年配の先生の話が、夕美ちゃんの昔話になってきた。
どうせ言うことは決まっている。
あの子は良い子だった、優しい子だった。
興味深いけど、彼女を見つけたい今のあたしにとっては、聞くまでもない内容だ。
先生の相手をプロデューサーに任せ、あたしは外に出て、夕美ちゃんが世話したという花壇を見つめた。
マーガレット、アルメリア、パンジー、ゼラニウム――チューリップはもう少し先かな。
どれも丁寧に揃っていて、葉っぱの色も青々と綺麗。
虫に食われたあとも見当たらない。
夕美ちゃんが帰る場所――ここ以外にどこがあるというのか。
「キミ達は、夕美ちゃんから何も聞いてない?」
ツンツンと花弁を突いてみる。
返事が無いことなんて、分かりきっているのに――。
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