74:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 23:48:31.04 ID:D/gZfYJM0
事務所に着くと、プロデューサーが他のプロデューサーと思しき男性と、取っ組み合いのケンカをしていた。
他の社員さん達も、総出で彼らの周りを囲んでいる。
「お前、よくもウチの夕美を……!!」
「こっちの台詞だ! お前らのせいで、どれだけ俺達が精神的に追い詰められてきたか知らないくせに!!」
「知るかこの野郎っ!!」
普段あたしのオモチャにされている彼からは、想像もつかないほど怒りに満ちた表情だ。
怒らせなくて良かった、などと暢気なことを言っていられる状況ではない。
「あぁそうとも、お前らには分からないだろうな!
後進にアッサリと追い越される側の気持ちが! 蹴散らす側のお前らにはな!!」
「夕美や志希の人気は、彼女達自身が努力して勝ち取ったものだ!! 軽々しく得たものなんかじゃない!」
「一ノ瀬志希は才能だけで食ってるようなもんじゃねぇか!! ふざけやがって、あの子と組めれば誰だってトップになれるわ!」
「夕美は志希にぶら下がってなどいない!! あの子達を馬鹿にするなっ!!」
「散々惨めな思いをさせてきたヤツらが、よくもいけしゃあしゃあと!! ちきしょう!!」
――Hmmmm、にゃるほどにゃるほど。
なんとなーく、今の彼らのやり取りで、おおよその察しはついた。
大の男二人のケンカをいたいけなJKが仲裁できるわけもないので、そそくさと彼らの脇を通り過ぎてガレージへ向かう。
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