69:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 23:18:21.75 ID:D/gZfYJM0
――役者だてら、とまでは言わないけど、ふふっ、何とも芝居がかった振る舞いだねー。
わざとらしく伏し目がちに、暗い表情で雰囲気作って、さも自分は目撃者であるかのように気取っている。
関係が無いように取り繕うということは、自分は第三者ではないと言ってるのと同じだ。
「何か、あったんですか?」
「え、おたくジャーナリストなのに、あの不倫騒動を知らないの!?
ここ最近、毎日のように報道されてるじゃん!」
とぼけたあたしを見て、彼はギアを戻し始めた。
「ライブイベントに出る予定があったのに、その相葉夕美って子、ドタキャンしたんだよ。
お客さんには、当日になって初めてそれをアナウンスしたんだってさ。
それで、お客さんを放って何をしたかと思えば、あの新進気鋭のイケメン俳優とよろしくやってたんだぜ?
ヒドい話だよね、ライブには彼女を目当てに来た人だっていただろうに」
うんうん、そうだねそうだねそれで今何て言ったキミ?
「そ、そうなんですか?
でも、ドタキャンをしたのなら、お客さん達へのアナウンスが当日になってしまうのもしょうがないんじゃあ……」
「しょうがないって、何がだよ」
「だって、前もって「ドタキャンします」なんて言ってたらドタキャンじゃないですし、事務所側としてもその事実を知るのは当日にならざるを得ないでしょうし」
「いちいちどうでも良いことにツッコむなぁ、君は。
そんなのは本筋と関係ないだろう、大体ね、事務所は既に知ってたって話だよ」
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