15:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 19:53:55.72 ID:D/gZfYJM0
「あ……し、志希ちゃん?」
「ん?」
ふと、夕美ちゃんがあたしの顔を覗き込んだ後、ちょっと顔を伏せた。
「ご、ごめんね。私ばかり楽しんじゃってて……付き合わせちゃったね」
「え、何で謝るの?」
あたしには、夕美ちゃんが申し訳なさそうにしている理由が分からない。
「えっ!? だ、だって、何かヘンに私ばかり盛り上がっちゃったかなぁって」
「そんなことないよー。ところであたし、着替え途中なんだけど」
「!? わ、わっ! ごめんなさい!」
「遠慮しないでいいのにー♪」
「何がっ!?」
ダンスレッスンの時以上に俊敏な動きでカーテンの向こうに消える夕美ちゃん。
にゃははー、やっぱり夕美ちゃんは楽しいねー。
夕美ちゃんは、あたしにとって新鮮なもの、あたしに足りていなかったものを絶えず供給してくれる。
それは、たぶん彼女にとってはごく当たり前のことなのかも知れない。
あたしを普通の女の子として見てくれる夕美ちゃんは、あたしにとって初めての人だった。
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