134:名無しNIPPER[saga]
2019/04/29(月) 03:21:59.49 ID:SYS+AFC90
「……ありがとう」
謝る以外で人に頭を下げることは、たぶん初めてかも知れなかった。
あたしはお爺ちゃんとキンモクセイに、一旦別れを告げる。
夕美ちゃんの帰る場所は、この先も変わらずここにある。
だけど――信じてはいるけど、もう大丈夫だよ。
「……もしもし、プロデューサー」
昨日の悲しみは、まだ納得できていない。
でも、受け入れた。
悲しみを跨いで、あたしも帰るよ。
夕美ちゃんがくれた、この心の柔らかい場所をずっと、大事にして。
いつかキミは帰ってきてくれるのか。
キミが期待してくれたように、アイドルとしてあたしは皆を笑顔にできるのか。
それらは、二つに一つという、単純な事象とは言えないのかも知れない。
だけど、今のあたしなら、いずれ迎える結果について納得し、尊重できるだろう。
この先もきっと、いつまでも。
ピンクの中に黄色がほころんだ場所が、この胸にある。
〜おしまい〜
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