10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/28(日) 19:38:09.82 ID:D/gZfYJM0
ところが、今のあたしは、夕美ちゃんという比較対象を得ている。
彼女が今苦しんでいるステップも、あたしは初見でこなすことができたものだ。
トレーナーさんの表情がさほど曇っていないところを見ると、それは決して珍しい事象ではないのだろう。
では、次の疑問はこうだ。
あたしはアイドルとして、夕美ちゃんより優等なのか?
「あ、志希ちゃん!」
「にゃ?」
ふと我に返ると、目の前にはちょっとキリッとした夕美ちゃんの顔がズイッとあった。
「女の子なんだから、あまりだらしないカッコしちゃダメだよっ!」
そう言うが早いか、夕美ちゃんはあたしの着ていたジャージのチャックをズイーッ!っと締めてしまう。
「ふぎゃっ! ええぇ、やだぁモゾモゾする」
「そうじゃなかったら、せめてシャツはあまりはだけさせちゃダメっ」
夕美ちゃんだってジャージの上脱いでるクセに。
ほんのり汗を吸って体のラインが見えやすくなった、夕美ちゃんのTシャツ。
「後で嗅がせて?」
「ヘンなことばっか言ってないで、ほらっ、レッスンしよっ!」
ムムム――なーんか思うようにいかないにゃー。
「はっはっは、相葉はすっかりお姉さんだな」
あたし達の様子を見て、なぜかトレーナーさんがホッコリした顔をしている。
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