5: ◆XUWJiU1Fxs
2019/04/25(木) 00:12:31.63 ID:cgXM4cARO
「お疲れ様です、プロデューサーさん」
「ちひろさんこそ。こんな時間までお疲れ様です」
ゆかりを寮へと送って事務所に戻ると事務員のちひろさんが観葉植物に水をやっていた。時計を見るとそこそこいい時間だ。彼女の他に人の姿はあまり見えない。
「ゆかりちゃんのオーディション、どうでしたか?」
「力及ばず、でした」
「……そうですか」
真っ黒なコーヒーに角砂糖を三ついれてかき混ぜる。溶け切っても何度も何度も悔しさを忘れるようにぐるぐると回す。悔しい気持ちなのは彼女だけじゃなかった。責められるべきは俺の力不足なのだから。
「あ、そうそう。プロデューサーさんがいない間にゆかりちゃん宛てのお仕事の依頼がありまして」
「ん?」
「はいどうぞ」
まだ少し苦味を感じるコーヒーを一口飲んでちひろさんから渡された書類に目を通す。
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