13: ◆XUWJiU1Fxs
2019/04/25(木) 00:27:30.27 ID:cgXM4cARO
「見てください、プロデューサーさん。馬車が走っています」
「ば、馬車? ほんとだ……」
ウィーン市街地までの風景を楽しんでいた俺たちの横を優雅に石畳を歩く二頭の白馬に引かれた馬車が通り過ぎる。
「ウィーン名物の観光馬車フィアカーです。ハプスブルク家の時代の雰囲気がそのまま現代社会にも溶け込んでいるですよ」
「なるほど……京都の人力車みたいなものですか」
一応日本でも札幌や湯布院、それこそ京都でもあるんですよ、とは村松さんの談。とは言え俺たちの目には珍しい光景であることには違いなく、
俺もゆかりもフィアカーから目を離せないでいた。あっ、御者さんがこっちにウインクした。
「プロデューサーさん」
「ホテルに着いてからね」
皆まで言わずともゆかりの言わんとしていることは理解できた。俺も同じ気持ちだから。
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