39: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:48:23.73 ID:HvshuUb/0
そんな私が見守る中、美也は改めて桃子を抱きしめた。
長く、長く、今までで一番力強い抱擁を受けたらしい桃子が、
自分の身体に回った腕へ、おどおどとした両手をそっと添える。
「……桃子」
そうして私から遠慮がちに声を掛けられ、
ハッと向けられた表情には確かな後悔の悲しみと。
「何? お兄ちゃんはあっち向いてて……!」
収まるべきところに収まったような安心感。
自分以外の存在から用意されなければ手に入ることの無い居場所を得て、
ようやく落ち着きを取り戻した恥じらいのような物が見て取れた。
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