【たぬき】神谷奈緒「あたしの髪には何かが棲んでいる」
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72: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/04/17(水) 01:56:12.22 ID:n5WgkvMD0


「……あ、ほら! あそこ!」


 行く先の、結構でかいビルを指差す。
 ライトアップされた、噴水まである屋上庭園が見えた。
 あのビルはうちのアイドルプロダクションだ。雲はゆっくりでも、まっすぐそちらに向かっている。
 屋上で降ろしてくれるつもりだとわかった。

「うわマジだ。今日休みなんだけどなぁ」
「なんか、小さいね。下から見るとあんなに立派だったのに」
「てか空から見るとこんな感じなんだー。あははっ、なんか新鮮かも♪」

 帰れるんだ。
 なんやかんやあったけど、あたしはもふもふを撫でながら、街を見下ろしていた。

 ふと思い立った。

「あ、観覧車」

「ん? どうした?」
「いや、観覧車……乗りたいなって思ってた。――けど、こっちの方がいいや」
「奈緒……」

「いや、観覧車は観覧車で乗りたい」

 横から凛がずいっと顔を出した。

「わぁ、凛!?」
「なになに、今度は二人っきりで乗ろうね的な? 奈緒ってば私らいるとこでそういうこと言う〜?」
「加蓮も!? ちがっ、だから別に、観覧車はもういいってことを……!」
「私観覧車乗りたい」
「グイグイ来るな凛!?」




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