高森藍子「ねえ夕美ちゃん…キス、したことありますか?」
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◆6X9N3xfEM.
[sage]
2019/04/14(日) 20:38:44.43 ID:dyMK0zF9O
夕美「こほん、それで私が頭をか抱えてうずくまっているとグラウンドの方からサッカー部の男の子が駆け寄ってきて『やぁ、悪ぃ悪ぃ、大丈夫だったか』って」
藍子「もおっ、ずいぶん軽いですね」
夕美「それが同じクラスの男の子でね」
藍子「その人、名前はなんて言うんですか?」
夕美「な、名前…」
あれっ、あのキャラクターなんて名前だっけ。読み切りだから【サッカー部のあいつ】としか呼ばれて無かったような…でも初めてのキスの相手の名前忘れるなんてありえないよね。
えーと、えーと…ここは誰かから名前を借りて…そうスポーツが得意でチョイ悪で、だけど根が優しくて皆から人気のある…
夕美「なか……、マサヒロくんって言うんだ」
先輩、ごめんなさいっ。
夕美「それで、その同じクラスでサッカー部所属のマサヒロくんがね」
藍子「なんか設定の確認っぽいですね」
夕美「そ、そ、そ、そんな事ないよっ!マサヒロくんが頭を抱えている私を見て『あれー、夕美じゃん』って言うから私が『夕美じゃん、じゃないでしょー、もう痛いなー』って言ったらマサヒロくんが私の手を払いながら『ちょっと見せてみろよ、こんなのツバ付けとけば治るって』って言って」
藍子「夕美ちゃん…なにか読んでますか?なんだかお芝居の台詞みたいですけど」
夕美「ま、まさかー、そんなことないよ!私はただ思い出を語っている、だけだからっ!」
藍子「そうですよね、ふふっ」
まずい、藍子ちゃんが予想以上に鋭いね。もっと体験談っぽく練り直さないと。
夕美「そ、それでね、私もカチンと来たからつい言い返しちゃったんだ。花壇に落ちたボールを指さして『私の事よりもお花が潰されちゃったじゃないっ!サッカーの練習するなら周りに気をつけてよね』」
藍子「うんうん、それでどうなりました?」
夕美「相手は頭を掻いてちょっと済まなそうにしながらね、『悪かったよ、ボールクリアミスってとんでもない方に飛んでっちまったんだ。花は弁償するから』って一応は誤ってくれたんだけどね」
藍子「うんうん、それで夕美ちゃんは許してあげたんですか?」
夕美「今思えば向こうにも悪気はなかったんだけど、私もお花の事になるとついカッとなっちゃってね『お金の話じゃないでしょっ!私が愛情込めて育ててもうすぐ蕾がつくところだったのに』って怒鳴っちゃった」
藍子「わあ…夕美ちゃんってお花が絡むと怖いですね」
夕美「む、昔の話だよ。今はそんな事ないからね」
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