【シャニマスSS】冬優子「それは」灯織「あったかもしれない邂逅」
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10: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/04/07(日) 17:47:13.21 ID:khuu0cd90
 人で最も賑わっていた繁華街の中心地。そこから徒歩で五分くらいの、値段が手ごろな飲食店がひしめく大通り。私が立っているその場所は、地理的な意味でも岐路だった。

 大通りをこのまま真っ直ぐ進めば、ビル街を経由して、十分程度で駅に着ける。対して、大通りを外れて路地を行けば、そこから三分ほどの時間を短縮することが可能だった。

 私は、迷わず路地に入る。

「あれ……メガネさん?」

「こっちの方が近道なんです」

「あ、そうだったんですか。ふゆ、知らなかったですっ」

 閑静な路地だった。

 当たり前だが、大通りに比べて、路地の人通りは格段に少ない。近道としてもあまり知られていない道なので、なおさら無理もなかった。

 防犯上の観点から言えば、雨の日の通過がはばかられる道ではある。しかし、ここでの犯罪の話は聞いたことがないし、それに今は一分一秒が惜しかった。

「これで数分早く駅に着けますから。そしたら……病院に行きましょう、ふゆさん」

「え……」

 彼女が目を丸くする。

「指、霜焼けしてますよね。ひょっとしたら、水ぶくれになってるかもしれません」

 いざ口にすると決めると、あっさりだった。



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