1: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/04/03(水) 01:42:26.43 ID:EU7YFYJs0
レッスンルームから一歩外に出ると、じめじめとした空気が私を襲う。レッスン後のため、汗だくであることも相まって肌にまとわりつくような不快感はいつにも増して、その猛威を振るっていた。
「ったく。どうにかなんねーのか、この暑さ」
私に続いてレッスンルームから出てきた、金色のショートカットの少女、西城樹里も同じくこの空気に嫌気がさしたようで、悪態をつく。
「もう。言ってもどうにもならないでしょう」
「それはそうだけどよー。暑いもんは暑いんだから仕方ないだろ」
はー、と深く深くため息を吐いたあとで「もう、夏が来るんだな」と言った。
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2: ◆TOYOUsnVr.[sage saga]
2019/04/03(水) 01:43:27.18 ID:EU7YFYJs0
シャワールームで汗を流し終え、髪を乾かしていると、既に完全に着替えを済ませた樹里がやってきて、隣に腰掛ける。
「夏葉は髪長いから大変そうだよな」
3: ◆TOYOUsnVr.[sage saga]
2019/04/03(水) 01:44:22.88 ID:EU7YFYJs0
「そういえばさ、昨日のレッスンは果穂と一緒だったんだけど」
「ええ」
4: ◆TOYOUsnVr.[sage saga]
2019/04/03(水) 01:46:20.75 ID:EU7YFYJs0
ぱちん、とドライヤーの電源を落とし、熱気を振り払うようにして立ち上がる。
「樹里は午後からは収録だったわよね」
5: ◆TOYOUsnVr.[sage saga]
2019/04/03(水) 01:47:35.75 ID:EU7YFYJs0
「夏葉さんはすごいです、……か」
燦々と降り注ぐ陽射しのなか、ぽつりと呟く。
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