【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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41: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/04/06(土) 18:07:46.41 ID:QSadOSIn0



その瞬間、桃が杏の胸倉を掴みあげる。元より腕力は人並み以上だった桃によって小柄な彼女の体は難なく吊り上げられ、その表情が息苦しさに歪む。


柚子「桃ちゃんっ!?」


突然の事に柚子が驚き、止めようと近づくも桃の鬼気迫る表情の前に彼女は動けなくなってしまう。


桃「なんでっ……なんで言ってくれなかったんですかッ!?なんでッ!?」


怒りと動揺がないまぜになった声に杏の瞳が大きく開き、揺れる。

けれど、すぐにその表情をかき消して代わりにいつもの様におどけたような、軽い笑みを作る。


杏「……そっちのほうが色々都合が良かったんだよ。それだけ」

桃「ふざけないでくださいっ!?あいつは私たちのために必死で戦ってたのにっ!!なのにっ、なのにっ……」


喉が裂けそうなほどの怒声がどんどんとその勢いを失っていく。

真っ白になるぐらい力の込められていた手から力が抜けていき、すり抜けるように杏の胸元から離れ、垂れ下がる。

それに合わせて崩れ落ちるように桃は膝をつくと、合わない焦点で地面を見つめながら呟くように声を出す。


桃「私は、逸見に……西住に……取り返しのつかない事を……」


桃の脳裏を駆け巡るのはただただ後悔の念だった。

自分がかけた期待が、激励が、我儘が、全てみほを傷つけていたのだと。

そしてみほを戦車道の場に引きずり出したのは杏で、そうした理由に桃は心当たりがあった。


桃「……私が、廃校を嫌がったからですか?私が、会長にそこまでさせてしまったんですか?」

杏「違う」


その言葉を杏は即座に否定する。

しゃがみ込んで、へたり込む桃に目線を合わせて、その瞳をまっすぐ見つめる。




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