【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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379: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/07/14(日) 02:42:52.49 ID:LUa+0x7l0



何一つ恩を返すことが出来ず、何一つ成し遂げられなかった自分が、みほは許せない。

たくさんのものをもらったのに、それに縋ってばかりで一歩も進んでいなかった自分が、みほは許せない。

もしもあの時に戻れるのならば、あの濁流をもう一度目の前にできれば、きっとみほは迷わず飛び込むだろう。

飛び込んで、エリカを救って、それで、笑って水底に沈んでいくのだろう。


そんな夢物語を今でも夢に見る。

目覚めたとき、無様に生きている自分に吐き気がする。

手に持ったシャーペンを首に突き立てたくなる。

学園艦の遥か下の海に飛び込んでしまいたくなる。


それでも、生きている。


彼女が望んだから。

神様なんていないから。


そんなものがいるのなら、自分が生きていることを許すわけがないから。

だから、神はいない。

だから、生きるしかない。

だから、


みほ「だから……許すとか許さないとか。そういう事じゃないんです。そんな権利、私には無いんです」


カチューシャが気に病む必要なんて何一つない。

事故は仕方ない。偶然起きてしまったことを責めるだなんて不条理、あってはいけない。

ましてや、全ての原因が自分にあるのだから。


みほはカチューシャに微笑みかける。

彼女には前を向いて欲しい。

それが難しいだなんてことはわかっている。それでも、彼女は何も悪くないのだから。

彼女はただただ、仲間たちのために最善を尽くしただけなのだから。


みほの微笑みにカチューシャは舌打ちをするかのように目を背ける。


カチューシャ「……あなたも、私を責めないのね」


カチューシャがみほの脛をつま先で小突く。

驚きと痛みにみほが片足を上げると、その姿を鼻で笑った。






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