【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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◆eltIyP8eDQ
[saga]
2019/07/14(日) 02:38:58.77 ID:LUa+0x7l0
カチューシャ「許しを請うなんて真似はしない。許されるような事をしていないから」
畳みかけるようにカチューシャは続ける。
ぎゅっと握りしめられた拳は震え、必死に怒りを、あるいは悲しみをこらえているように見えた。
カチューシャ「土下座でも何でもするわ。気が済むまで殴っても良い。誰にも文句なんて言わせない。だから、あなたの好きなようにしなさい」
その言葉を最後に、カチューシャは黙り込む。
みほは、じっとその姿を見つめ、ふっとため息を吐く。
そして、掠れて低くなった声で、それでも今できる柔らかな声色で語り掛ける。
みほ「……知ってましたよ。あなたが、撃ったことを」
知らないわけがない。
誰が撃ったかなんていの一番に調べた。
大好きだった人を失った。
その理由の一片まで知らないままじゃいられなかったから。
カチューシャはその言葉に口元だけで笑みを作る。
カチューシャ「……そう。なら、なおさら恨み骨髄じゃない?決勝前にスッキリさせてあげるわよ」
みほ「カチューシャさん。私は……あなたを恨んだことなんてありませんよ」
無理やり作った笑みが消え去り、じっとみほを睨みつけてくる。
みほ「あなたの事は知ってました。それでも、私は、私が一番悪いって、誰かを恨んでいるとすれば、私は私を恨んでいるんです。
死んで欲しいと、殺したいと」
ああそうだ。誰が撃ったかなんて、何が原因だったかなんて何度も何度も調べた。
あの彼女との思い出が残る6畳一間で、何もかも失った世界で。
みほはずっと考えてた。誰が悪かったのか、何が悪かったのか。
……その結論はいつだって『自分』だった。
事故は仕方ない。その事故がどれほどのものなのかなんて当事者以外に分かるわけがない。
ならば、勝利のために引き金を引くことが責められて良い訳が無い。
そうだ。悪いのは自分だ。
あの時、エリカを助けられたのは自分だけで、なのに、助けられなかった。
――――私は、エリカさんに救われたのに。
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