【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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341: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/06/30(日) 01:19:54.06 ID:GvqkCp0m0



彼女たちに名乗った名は『西住みほ』ではなく、『逸見エリカ』だ。

ケイの口ぶりからみほは自分の現状はもう知られているのだと察し、降参するように頷く。

元より、ケイとナオミ……アリサも自分の正体なんて知っていたのだろうとはわかっているが。

やはりケイの瞳を見つめられないままそんな事を考えていると、


ケイ「ならミホ。……ごめんなさい」

みほ「え?ちょっ、何……」


ケイと、その隣に立つアリサが深々と頭を下げる。どういうことかとみほがとハンドルを握ったままのナオミを向くと、ナオミもまた申し訳なさそうに頭を下げた。

いよいよ混乱してきたみほの前で、頭を下げたままケイが声を出す。


ケイ「アリサを庇ってくれてたのね」

みほ「え……」

ケイ「本当にごめんなさい。何も気づかなくて。あなたに汚れ仕事させて」



その言葉の意味をみほは直ぐに察した。

サンダースとの試合、その中で対戦相手であるアリサが行った無線傍受。

戦車道のルールには反さないものの隊長であるケイの主義に反するその行い。

バレたらタダでは済まないという事はアリサも覚悟していた。

だからみほは、それを庇った。

口汚い言葉でアリサを、サンダースを罵り、自分に怒りを向けさせることでアリサのしたことを隠した。

それが結果的にアリサに重いものを背負わせ、それを見ていたあんこうチームの面々にも愁傷を抱かせてしまった。

だから、こうやってケイたちに頭を下げられてみほはむしろ申し訳なく思ってしまう。

ケイの隣で同じように頭を下げているアリサに向かって、みほは寂しそうに笑う。


みほ「……言っちゃったんですね」

アリサ「ミホ……ごめんなさい。あなたの気遣いを無為にした」

みほ「……良いんですよ。元々私が勝手にやった事なんですから。むしろ、余計な事しちゃいました。私が変に庇い立てたせいで拗らせちゃったんじゃ……」

アリサ「違うっ!!」


みほの言葉を、遮るようにアリサが声を張り上げる。

目元に涙を浮かべ、唇を噛みしめ、それをゆっくりと解く。


アリサ「違うわミホ。私は……」


その先は言葉にならず、嗚咽交じりに謝罪を繰り返すアリサ。

その肩をそっと抱いてケイがみほに向き直る。





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